絨毛癌, 侵入奇胎の治療経過における超音波診断法の評価
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概要
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侵入奇胎(侵奇)・絨毛癌(絨癌)の治療経過における超音波診断法(USG)の臨床的意義を明確にする為,入院当初にUSG上明らかな異常所見を認めた31例を対象として,そのUSG像を詳細に検討した.さらに血流を確認できるパルスドップラー法・カラードップラー法の臨床的価値について検討した.その結果以下のことが明らかとなった.1) 治療開始時のUSG所見は,type I(高輝度充実性エコー),type II(高輝度部分に囲まれた単一又は複数のecho free space(EFS)),typeIII(EFS主体)の3型に分類できる.2) 侵奇ではtype IIを示す症例が多く,一部type IIIを呈する症例がある.絨癌ではtype Iを示す症例が多く,type IIを呈する症例も見られた.3) PAG所見との比較検討の結果,PAG上のpooling像とUSG上のEFSとの一致率が高かった.4) 治療開始時の病巣推定体積と尿中hCG値とは,正の相関が認められた.化学療法例ではhCGの減少に伴って病巣は縮小し,hCG陰性化した時点で,22例中9例(40.9%)でUSG上病巣の消失を見た.5) 化学療法例の治療経過中のUSG像の変化より「標準的経過」を設定したところ,22例中14例(63.6%)が「標準的経過」と一致した.6) カラードップラー・パルスドップラーを便用したところ,USG上のEFSに血流が確認できた症例があり,PAG上のpooling,血管怒張との関係が強く示唆された.以上より,侵奇・絨癌の治療経過における超音波診断法の有用性を明らかにすると共に,カラードップラー法・パルスドップラー法など血流を確認できる手段をあわせ用いることにより,病巣構造の理解が深まり,侵襲の大きい骨盤血管造影の使用を将来減少さぜる可能性があると期待された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1987-12-01
著者
-
友田 豊
名古屋大学産婦人科学教室
-
可世木 成明
可世木病院
-
山本 真一
刈谷豊田総合病院
-
佐久間 貞行
名古屋大学放射線科
-
島本 佳寿広
名古屋大学医学部保健学科放射線技術科学
-
山本 真一
名古屋大学医学部産婦人科学教室
-
石塚 隆夫
名古屋大学医学部産婦人科学教室
-
可世木 成明
名古屋大学医学部産婦人科学教室
-
牧野 直樹
名古屋大学医学部放射線科学教室
-
佐久間 貞行
名古屋大学
-
佐久間 貞行
名古屋大学医学部放射線医学教室
-
佐久間 貞行
新潟大学 医学部 保健学科放射線技術科学 専攻
-
石塚 隆夫
名古屋第一赤十字病院産婦人科
-
石塚 隆夫
名古屋大学 産婦人科
-
佐久間 貞行
名古屋市立大学放射線科
-
可世木 成明
名古屋大産婦人科
-
可世木 成明
名古屋大学 医学部産科婦人科学教室
-
佐久間 貞行
名古屋大学医学部放射線科学教室
-
島本 佳寿広
名古屋大学医学部保健学科放射線技術科
-
島本 佳寿広
名古屋大学医学部放射線科学教室
-
友田 豊
名古屋大学医学部産婦人科
-
島本 佳寿広
名古屋大学医学部保健学科 放射線技術科学専攻
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