悪性卵巣腫瘍に対する非特異的免疫賦活剤 OK-432使用による免疫療法の効果 : 有効症例選別の試み
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概要
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最近、種々の免疫療法が施行されているが、免疫療法に対して感受性の高い症例を選別する糸口を探る目的で以下の検討を行った。1)原発性卵巣癌及び転移性卵巣腫瘍の症例を対象にして、OK-432投与群と非投与群に分類して、累積生存率の検討を行った。1〜II期症例では殆ど差を認めなかった。III〜IV期症例及び転移性卵巣腫瘍症例においては、統計学的な有意差は認めなかったものの、投与例に延命効果を認めた。2)Su-PS皮膚反応を治療前に施行し、SuPS反応陽性群(長径+短径/2≧10mm)と陰性群(<10mm)に分類し、累積生存率の差を検討した。陽性群の方が陰性群に比し統計学的に有意に予後良好であった。3)PHA皮膚反応も同様に、陽性群(長径+短径/2≧20mm)と陰性群(<20mm)に分類し、累積生存率の差を検討した。統計学的な有意差は認めなかったものの、陽性群の方が予後良好であった。4)リンパ球サブセット(Helper T細胞分画、Suppressor T細胞分画、Helper T細胞分画/Suppressor T細胞分画、NK細胞分画)につき、それぞれ基準値を設定し、高値群と低値群に分類して累積生存率の差を検討した。何の分画及び比においても、統計学的な有意差を認めなかったが、Helper T細胞分画では、高値群が低値群に比して予後良好となり有意差傾向(Z値1.779)を認めた。5)OK432投与前後のNK活性値を測定しNK活性反応良好群(投与後のNK活性/投与前のNK活性≧L2)と反応不良群(<1.2)とに分類した。統計学的な比較は施行しなかったが、反応良好群の方が予後良好の印象を受けた。6)手術時り摘出腫瘍のヌードマウス移植腫瘍発育速度により患者を2群に分類した。rapidgrowth群の方がslow growth群に比して予後不良であったが有意差は認めなかった。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1986-07-01
著者
-
榊原 克巳
岡崎市民病院
-
友田 豊
名古屋大学産婦人科学教室
-
榊原 克己
東海卵巣腫瘍研究会
-
西田 裕一
碧南市民病院
-
太田 正博
名古屋大学医学部産科婦人科学教室東海卵巣腫瘍研究会
-
加納 武夫
名古屋大学医学部産科婦人科学教室東海卵巣腫瘍研究会
-
西田 裕一
名古屋大学医学部産科婦人科学教室東海卵巣腫瘍研究会
-
太田 正博
東海卵巣腫瘍研究会
-
榊原 克己
名古屋大学医学部産婦人科学教室
-
太田 正博
名古屋大医
-
加納 武夫
知泉会加納病院
-
友田 豊
名古屋大学医学部産婦人科
-
榊原 克巳
東海卵巣腫瘍研究会
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