ニコチノイドおよびネオニコチノイドの選択毒性の分子機構
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概要
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[^3H]α-ブンガロトキシン, [^3H]ニコチンをプローブとしニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の認識部位へのニコチノイド, ネオニコチノイド, 関連化合物の結合性をみた結果, 昆虫nAChRでは3-ピリジルメチルアミノ部分をもつこと, 脊椎動物nAChRではイオン化度の高いことが必要であった.[^3H]フェンサイクリジンを用いTorpedoのnAChRのイオンチャンネル開口への効果をみた結果, アゴニスト作用を呈するのに3-ピリジルメチルアミノ部分があるほうがよいが, イオン化度の高いことが必要であった.ニコチノイドのアミノ窒素原子とネオニコチノイドの構造上対応する窒素原子の^<15>N NMRを測定したところ, 後者は前者に比べはるかに低磁場にあり, 窒素原子上の非共有電子対が電子吸引性基により非局在化, すなわち部分正荷電を帯びていることを示し, これが昆虫のnAChRとの相互作用には十分だが, 脊椎動物のそれとは不十分であるといえる.これによってニコチンは温血動物への毒性が高く, 殺虫活性が限られているのに対し, イミダクロプリドはその反対の特性を示すことが説明できる.
- 日本農薬学会の論文
- 1995-02-20
著者
-
利部 伸三
Department of Chemistry, Faculty of Education, Gifu University
-
利部 伸三
Department Of Chemistry Faculty Of Education Gifu University
-
宮本 徹
東京農大生物応用化学
-
宮本 徹
Department of Applied Biology and Chemistry, Tokyo University of Agriculture
-
Yabuta G
Tokyo Univ. Agriculture
-
藪田 五郎
Nodai Research Institute Tokyo University Of Agriculture
-
山本 出
Department of Agricultural Chemistry Tokyo University of Agriculture
-
冨澤 元博
Department of Agricultural Chemistry Tokyo University of Agriculture
-
斉藤 隆行
Department of Agricultural Chemistry Tokyo University of Agriculture
-
冨澤 元博
カリフォルニア大学バークレー校
-
冨澤 元博
Department Of Agricultural Chemistry Tokyo University Of Agriculture:(present Address)department Of
-
山本 出
東京農業大学
-
山本 出
東京農大生物応用化学
-
山本 出
農大
-
山本 出
東京農大 ・ 農化
-
Saito T
Department Of Agricultural Chemistry
-
利部 伸三
Gifu Univ. Gifu Jpn
-
Miyamoto Toru
Department Of Agricultural Chemistry Tokyo University Of Agriculture
-
宮本 徹
Department of Agricultural Chemistry, Tokyo University of Agriculture
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