イエバエグルタチオン S-トランスフェラーゼのカルコンによる阻害およびそのアイソザイムのラットとの比較
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概要
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4′-Phenylchalconeの2-, 3-, 4-塩素置換体の抵抗性(R)および感受性(S)イエバエ腹部グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)に対する阻害は弱かった.しかし, これらグルタチオン(GSH)抱合体は両GSTをCDNBやDCNBに関し非拮抗的に強く阻害した.阻害活性はマウス肝GSTの場合と同様2-, 4-, 3-塩素置換体の順であった.この事実はin vitroではGSH抱合化が遅いことを示唆している.他方, 上記カルコンは2-, 4-, 3-塩素置換体の順で有機リン殺虫剤ダイアジノンのR-イエバエへの殺虫力を増強した.ダイアジノンはR-イエバエでGSTにより解毒されることが知られているので, このカルコンの共力効果は, カルコンがin vivoでGSTによりGSH抱合体に変換された後GSTを阻害し, これによりダイアジノンの解毒を減少させたことによると推察される.ラットとイエバエ間, またR-とS-イエバエ間でGSTに差異があることを認めた.すなわち, CDNBについてみると親和性はS-イエバエGSTに対するよりR-イエバエGSTに対して強かったが, 両者ともラットGSTへの親和性に比べかなり低かった.DCNBの各種GSTへの親和性はCDNBのそれより一般に低く, イエバエ, マウス, ラット間であまり大きな差はなかったが, とくにR-イエバエGSTへの親和性は低かった.イエバエとラットのGSTはSDS-電気泳動のsubunitからみて質的に大きく異なっていた.またR-, S-イエバエのGST間では若干の違いが認められた.
- 日本農薬学会の論文
- 1995-02-20
著者
-
宮本 徹
東京農大生物応用化学
-
宮本 徹
Department of Applied Biology and Chemistry, Tokyo University of Agriculture
-
山本 出
Department of Agricultural Chemistry Tokyo University of Agriculture
-
山本 出
東京農業大学
-
山本 出
東京農大生物応用化学
-
山本 出
農大
-
山本 出
東京農大 ・ 農化
-
Miyamoto Toru
Department Of Agricultural Chemistry Tokyo University Of Agriculture
-
宮本 徹
Department of Agricultural Chemistry, Tokyo University of Agriculture
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