カルコンによるグルタチオン S-トランスフェラーゼ阻害の活性本体としてのグルタチオン抱合体
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概要
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塩素置換4′-phenylchalcone類はin vitroで還元型グルタチオン(GSH)と反応してGSH抱合体を生成し, これがグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GSH)を阻害した.抱合体の化学構造は, 酵素反応液の紫外線吸収スペクトルの経時的変化から推測し, カルコンのα, β-不飽和ケトン部位のβ位へのGSH付加物を合成, 決定した.2-, 3-, 4-chloro-また2, 3-, 2, 4-, 2, 6-, 3, 4-dichloro-4′-phenylchalconeのGSH抱合体の中で, 2-chloro体のGST阻害が著しかったが, その他の抱合体も阻害活性を示した.カルコンによるGST阻害は塩素の数と置換位置により異なり, GSHによる抱合速度に大きく支配されていた.4-Chloro体は, その抱合体自体の阻害活性は他の抱合体と同程度であるにもかかわらず, GSH抱合がきわめて遅いためGST阻害が弱かった.2-Chloro体の抱合体によるGST阻害は非拮抗的であり, tridiphaneと同程度のK_i値を示した.
- 日本農薬学会の論文
著者
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宮本 徹
東京農大生物応用化学
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宮本 徹
Department of Applied Biology and Chemistry, Tokyo University of Agriculture
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山本 出
Department of Agricultural Chemistry Tokyo University of Agriculture
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山本 出
東京農業大学
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山本 出
東京農大生物応用化学
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山本 出
農大
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山本 出
東京農大 ・ 農化
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Miyamoto Toru
Department Of Agricultural Chemistry Tokyo University Of Agriculture
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宮本 徹
Department of Agricultural Chemistry, Tokyo University of Agriculture
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