新いもち病防除剤カルプロパミドの立体構造活性相関に基づく選抜
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概要
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新規いもち病防除剤カルプロパミドの開発はジクロロシクロプロパンカルボン酸の構造改変から始まった.シクロプロパン環への脂溶性置換基の導入, カルボキシル基のエステル化, シアノ基, アルキルアミドさらにアルコール及びその誘導体への変換により活性は増大しなかった.しかし, 1位に置換基を有するジクロロシクロプロパンカルボン酸と4-ハロゲノ-α-フェネチルアミンからなるアミドは特異的に高い活性を示した.またこれらのアミドにおいて, 不斉炭素原子の立体配置と活性には顕著な関係が見られ, べンジル部位がR体の異性体がS体に比べて強い活性を示した.さらに酸のα位は右旋性の鏡像体が活性を増大させる傾向がみられた.立体配置と活性の関係はメラニン合成阻害でも同様に観察された.以上の立体配置による効果を立体異性体混合物の圃場試験結果に加味して, 4-クロロ-R-フェネチルアミンと1-エチル, 3-メチル2, 2-ジクロロシクロプロパンカルボン酸のラセミ混合物からなるカルプロパミド[1R, 3S/1S, 3R-2, 2-dichloro-N-(R)-1-(4-chlorophenyl)ethyl-1-ethyl-3-methylcyclopropanecarboxamide]が開発候補化合物として選抜された.
- 日本農薬学会の論文
- 1998-05-20
著者
-
利部 伸三
Department of Chemistry, Faculty of Education, Gifu University
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利部 伸三
Department Of Chemistry Faculty Of Education Gifu University
-
倉橋 良雄
Laboratory for Remediation Research, Plant Science Center,Riken
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倉橋 良雄
Laboratory For Disease Control Yuki Research Centre Nihon Bayer Agrochem K.k.
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倉橋 良雄
Laboratory For Remediation Research Science Center
-
Kurahashi Y
Nihon Bayer Agrochem K.k. Ibaraki Jpn
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