カルプロパミド前処理イネにおけるイネいもち病菌感染によるファイトアレキシン合成の増強
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概要
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メラニン生合成阻害剤(MBI)であるカルプロパミド(CRP)を処理したイネ葉にいもち病菌を接種すると, イネのファイトアレキシン(PA)であるモミラクトンAとサクラネチンが多量に蓄積した.CRPまたはその主成分であるisomer A(1R, 3S), B(1S, 3R)をそれぞれ単独で処理しただけではPAの蓄積は認められなかったが, いもち病菌を接種することにより速やかにかつ多量にイネ葉において生成, 蓄積することが明らかとなった.この現象は抵抗性誘導剤WL28325処理イネ葉においても同様に認められ, その処理濃度, 防除効果及びPA蓄積量の相互相関性を解析した結果, isomer Aが最も類似したパターンを示した.MBI活性がisomer Bに劣るisomer Aの主たる作用機構はいもち病菌感染によるPAの蓄積増強作用であると推定され, CRPが示すいもち病防除効果はisomer AのPA誘導蓄積増強と, isomer BのMBIによる相互作用により得られていることが示唆された.
- 1999-11-20
著者
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倉橋 良雄
Laboratory for Remediation Research, Plant Science Center,Riken
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新木 康夫
Laboratory for Disease Control, Yuki Research Centre, Nihon Bayer Agrochem Co., Ltd.
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新木 康夫
日本バイエルアグロケム(株)結城中央研究所
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倉橋 良雄
Laboratory For Disease Control Yuki Research Centre Nihon Bayer Agrochem K.k.
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Kurahashi Y
Nihon Bayer Agrochem K.k. Ibaraki Jpn
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