アリモドキゾウムシの配偶子形成に及ぼすガンマ線照射の影響
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概要
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アリモドキゾウムシ(Cylas formicarius FABRICIUS)の不妊化方法を確立するため,蛹期にガンマ線を照射した成虫について配偶子形成と胚子発生に及ぼす放射線の影響を組織学的に検討した。ガンマ線照射により雄では精子形成過程が攪乱されて,精原細胞と精母細胞は崩壊・退化し,貯精嚢中の精子数が激減した。照射雄と交尾した正常雌の受精嚢内には精子は僅かしか認められなかった。また,照射雄と交尾した正常雌の産下卵では正常な胚子発生過程が阻害されて,卵表層に分裂核が集積した後,胚盤の崩壊,卵質の空胞化を起こし卵は壊死した。このことから,雄ではガンマ線照射により優性致死変異を示す少数の異常精子が形成されることが示された。一方,雌ではガンマ線照射により卵形成が完全に阻害された。卵母細胞は発育せず,栄養細胞の核濃縮や核崩壊がみられ,産卵が阻止された。ガンマ線照射に対する生殖感受性は,雌の方が雄に比べてかなり高いことが示唆された。
- 1994-12-28
著者
-
桜井 宏紀
岐阜大学農学部生物生産システム学科
-
桜井 宏紀
岐阜大・農
-
渡辺 博幸
岐阜大農
-
櫻谷 保之
近畿大学農学部農学科
-
桜井 宏紀
岐阜大学農学部昆虫学教室
-
杉本 毅
近畿大農
-
瀬戸口 脩
鹿児島農試大島支場
-
櫻谷 保之
近畿大農学部
-
渡辺 博幸
岐阜大学農学部生物生産システム学科
-
川添 幸治
鹿児島農試大島支場
-
川添 幸治
鹿児島県農業試験場大島支場:(現)鹿児島県出水農業改良普及センター
-
瀬戸口 脩
鹿児島県農業試験場大島支場:(現)鹿児島県農業環境協会
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