ニクバエ(Sarcophaga ruficornis)の脱皮ホルモンに関する研究 : II.発育に伴う量的変化とその役割
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概要
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ニクバエ(Sarcophasa ruficornis Fabricius)について,発育に伴う脱皮ホルモン(エクジステロイド)の量的変化とその役割を検討した。すべての発育ステージでα-エクダイソンは検出できず,β-エクダイソンが確認された。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による幼虫-蛹期でのβ-エクダイソンの変化は,這い出し期の3日齢,囲蛹形成期の4日齢及びファレート成虫期の8日齢に著しく増加し,2つのピークが観察された。同時に行なったラジオイムノアッセイでは,HPLCより非常に低い測定値を示し,8日齢をピークにした変化が見られた。成虫期でのHPLCによる脱皮ホルモン定量の結果では,β-エクダイソンは羽化当日に雄でごく微量であったのに対し雌では多量に存在し,その後は雌雄とも微量であったが,雄のみ7日後に増加した。このことより,脱皮ホルモンの役割は這い出し行動の誘発,囲蛹形成及びファレート成虫の誘導に関係するものと考えられる。一方,成虫期における卵黄前駆物質(ビテロジェニン)の合成と卵巣発育の制御は,脱皮ホルモンより幼若ホルモンの作用化にある可能性が高いことが示唆された。
- 岐阜大学の論文
- 1989-12-25
著者
-
桜井 宏紀
岐阜大学農学部生物生産システム学科
-
桜井 宏紀
岐阜大・農
-
武田 享
岐阜大学農学部生物生産システム学科
-
武田 享
岐阜大学大学院連合農学研究科生物環境科学
-
武田 享
岐阜大学農学部
-
桜井 宏紀
岐阜大学農学部昆虫学教室
-
山川 隆
岐阜県立岐南工業高等学校
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