越冬アカイエカ Culex pipiens pallens の生存状況, 特に翅長と生存率との関係について
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概要
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越冬中のアカイエカ雌成虫を捕集し, 水だけを与えて生存率を調べた。全個体の生存曲線はR=100-99.63×(0.01517)^<(0.8952)^t>(Rは捕獲t日後の生存率, %)で表わされ, 最も長命の個体は約60日間生存した。この越冬個体群は約92%を占める長翅群と8%の短翅群とから混成されることがわかった。翅長の長短によって全体を6つのカテゴリーに分け, 死亡率と日令との関係を調べた結果, 死亡率(対数)と日令との間に比例関係が認められたので, Gompertz方程式, M=kp^<q^t>(Mは捕獲t日後の累積死亡率, k, p, qは各カテゴリーに特有のパラメーター)にあてはめて各カテゴリーの"半減期"を推定した。その結果, 一部の例外を除き, 翅長の長い越冬蚊群ほど長生きする傾向のあることが明らかにされた。これらの結果に基づいて, 短翅群に属する越冬蚊が吸血によって晩夏に日脳ウイルスをとりこみ, 冬期にこれを保持し, 翌春脊椎動物に伝搬する可能性があるかどうかについて考察を加えた。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1975-05-15
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