アオマツムシの胚子発生 : I.胚子発生段階

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概要

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アオマツムシの卵越冬期間中の胚子発生について,固定卵あるいは生卵のまま外部から観察した。本種の胚子発生過程は,胚子の発育状況によって10段階に区別できた。すなわち,胚子の発育状況は,12月上旬卵後極に胚盤が形成され,その後胚盤は卵腹側へ移動してダルマ型からシャモジ型へと変化し,伸長した。3月下旬にはそれまで卵表に位置していた胚子が卵黄中へ陥入するとともに付属肢の分化も進行した。5月中切には胚子が反転して卵黄から脱出,6月上旬にはふ化直前の状態に達した。卵の大きさは発生の経過と密接に関連して変化し,部長は発育の全期間を通じて約4mmと変化しないのに対し,卵幅長は産卵直後から2月まで0.6mmと殆んど変化しないが,3月以降急激に増加してふ化直前の6月には0.8mmとなった。このうち,10〜2月は胚子に付属肢原基のあらわれはじめるステージI〜IIIの頃で,3月以降は胚子の反転開始から胚子の完成までのステージIV〜Xの時期に相当した。
岐阜大学の論文
1990-12-25

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