ウリミバエの精子形成に対するガンマー線照射の影響
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概要
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ウリミバエは沖縄県では重要な害虫であり,55種の野菜や果実を加害する。沖縄県農業試験場は1975年以来,不妊雄放飼によるウリミバエの大規模な撲滅計画を実施してきた。この方法を発展させる上で本種におけるガンマー線照射による不妊化機構に関する研究は重要である。そこで始期にガンマー線を照射した成虫について,精子形成の異常を検討した。光顕観察の結果,照射虫の精巣は正常虫に比べて著しく小型で,精原細胞と精母細胞の退化がみられた。照射虫の貯精嚢中の精子含量は少く,またこれと交尾した正常雌の受精嚢では精子は殆ど見出されなかった。電顕観察の結果,照射虫では精原細胞と精母細胞の崩壊とシストの空胞化がみられ,端細胞の核は崩壊,消失した。照射虫の精子の構造は不明瞭であり,またこれと交尾した雌の受精嚢では異常な形状の精子が少数観察された。観察結果から,7kRのガンマー線照射によりウリミバエの精子形成は強力に攪乱され,少数の異常精子が形成されることにより,ほぼ100%の不妊化率をひき起すものと推定された。
- 岐阜大学の論文
- 1989-12-25
著者
-
照屋 匡
沖縄県ミバエ対策事業所
-
照屋 匡
沖縄県農業試験場
-
桜井 宏紀
岐阜大学農学部生物生産システム学科
-
桜井 宏紀
岐阜大・農
-
伊藤 嘉昭
名古屋大学農学部害虫教室
-
武田 享
岐阜大学農学部生物生産システム学科
-
白石 礼子
岐阜大・農
-
白石 礼子
岐阜大学農学部生物生産システム学科
-
武田 享
岐阜大学大学院連合農学研究科生物環境科学
-
武田 享
岐阜大学農学部
-
桜井 宏紀
岐阜大学農学部昆虫学教室
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