ウリミバエの放射線不妊化の機構に関する研究
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概要
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ウリミバエのガンマー線照射による不妊化の機構を組織学的に検討した。電子顕微鏡による精巣の観察では,照射虫の精原細胞,精母細胞は崩壊し,自由精子のみが存在していた。照射虫と交尾した雌の産下部の胚子発生過程の光学顕微鏡による観察では,卵割異常,胚盤葉形成阻害など発生初期の段階での異常がみられ,それ以降の胚子発生過程は認められなかった。ガンマー線照射により雄の生殖細胞は大部分が崩壊するものの,残った精子は受精には関与した。しかし,受精に関与した精子は胚子発生過程を停止させる異常精子であり,このことがほぼ100%の不妊化率を引き起こすものと推定された。光学顕微鏡による中腸の観察では,照射虫の中腸上皮細胞の萎縮や崩壊がみられた。このことから,ガンマー線照射により中腸組織に阻害を生じ,消化機能が阻害されることが,成虫の寿命低下の一因になっていると思われる。
- 岐阜大学の論文
- 1991-12-25
著者
-
照屋 匡
沖縄県ミバエ対策事業所
-
照屋 匡
沖縄県農業試験場
-
桜井 宏紀
岐阜大学農学部生物生産システム学科
-
桜井 宏紀
岐阜大・農
-
小谷 康弘
岐阜大学農学部生物生産システム学科
-
伊藤 嘉昭
名古屋大学農学部害虫教室
-
武田 享
岐阜大学農学部生物生産システム学科
-
武田 享
岐阜大学大学院連合農学研究科生物環境科学
-
武田 享
岐阜大学農学部
-
桜井 宏紀
岐阜大学農学部昆虫学教室
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