アカイエカ越冬個体群の生態学的研究 : 2. 越冬場所に出入りする雌蚊集団の翅長と R 比の経時的変化
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概要
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越冬場所(防空壕)に出入りするアカイエカの雌集団を週ごとに捕集し, その翅長と翅脈R比の変化を調べた。短翅型の蚊は長翅のものより早く10月に, 長翅型の蚊の大部分は11月下旬∿12月上旬に越冬場所に侵入することがわかった。越冬後防空壕を出て行く集団で翅長分布の歪みが少なくなることから, 短翅型の割合がかなり減少するものと推定されたが, それでもなお短翅型の雌蚊は少数ながら残存しており, 経産蚊も認められた。越冬場所に出入りする集団では, 翅長とR比が夏のものより大きかった。翅長・R比間の回帰係数も冬の集団で大きく, このことは越冬集団が翅長・R比の差の大きい長翅・短翅型の混成集団であることを示唆する従来の結果と一致するものと思われた。10月の侵入蚊は回帰係数が小さい点では, 夏のものから越冬集団への移行期にあるものと推定された。
- 1981-12-15
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