「環境不測時代の経営」に関するアンケート調査(2)
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概要
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本資料は「環境不測時代の企業経営」に関するアンケート調査の2年度目の調査の一次集計結果である。単年度調査のみで企業経営の動向を客観的に把握することは困難であるという視点から,前年調査の結果を踏まえアンケート項目の改善・追加を試み2年目の調査を行った。問題意識,調査の焦点については前年調査の主旨と基本的には変わってはいない。バブル経済崩壊後,日本の企業環境は大きく変化した。最近ようやく景気回復の兆しが見えつつあるといわれるものの,先行き不透明感はまだ解消されたとはいえない。円高,国際競争などの要因の変化が日本の製造業の存立基盤を大きく揺るがしていることに変わりはない。こうした状況のもとで,企業は緊急避難的な対応に追われ,リストラクチャリングやリエンジニアリングに取り組み,コスト削減を追及してきた。しかし,リストラクチャリングは,事業削減による合理化を目的とし,人員削減という結果をもたらすという問題が懸念され,リエンジニアリングは,リストラクチャリングよりも積極的な意味を持つものの,既存の知識や技術の利用を前提とした生産性改善策という限界を持つと指摘されている。したがって,このような限界を持つリストラクチャリングやリエンジニアリングは,企業の長期にわたる維持・発展という課題の解決策になりうるか疑わしい。そのためには新製品や新事業の開発可能性につながるコア・コンピタンスの構築に企業は取り組む必要があるといえる。コア・コンピタンスとは核となる復数の技術・知識・ノウハウなどを組み合わせて新製品・新事業を開発する能力である。この能力を構築するためには,トップのリーダーシップをはじめ組織再活性化の問題など多くの要因が関わりを持っている。そこで本研究は日本の製造企業に対するアンケート調査を通じて,現在の経営の実態を把握するとともに,コア・コンピタンス構築の方策がどの程度行われているかを時系列的に明らかにしようというものである。研究目的から,調査対象要因はきわめて広範に及ぶため,戦略,組織,研究開発,人的資源管理,情報,社会性・社会的責任,戦略的提携といった多面的な分野から研究者が参加した。各参加者が理論的な検討を重ね,アンケートの作成を試みた。アンケート調査は,前年同様,上場製造企業を対象として実施した。アンケートとその一次集計結果は,次の通りである。この一次集計結果を踏まえ,相関分析, QAQF,クラスター分析などを用い,参加者各自が担当分野のデータ解析を行い,論文として発表する予定である。なお,前年調査結果についての論文は各自が三田商学研究をはじめ,所属大学機関紙にすでに発表している。
- 慶應義塾大学の論文
- 1996-06-25
著者
-
岡本 大輔
慶應義塾大学商学部
-
古川 靖洋
嘉悦女子短期大学
-
清水 馨
慶應義塾大学大学院商学研究科
-
馬塲 杉夫
専修大学経営学部
-
馬場 杉夫
専修大学経営学部
-
青木 幹喜
大東文化大学経営学部
-
神戸 和雄
慶應義塾大学商学部
-
遠藤 健哉
成城大学社会イノベーション学部
-
清水 馨
千葉大学法経学部
-
十川 廣國
慶應義塾大学商学部
-
遠藤 健哉
杏林大学
-
青木 幹喜
東京情報大学
-
高橋 美樹
慶應義塾大学商学部
-
大前 慶和
慶應義塾大学商学研究科
-
今野 喜文
慶應義塾大学商学研究科
-
土居 弘元
国際基督教大学
-
今口 忠政
京都産業大学
-
中野 千秋
麗沢大学
-
園田 智昭
慶應義塾大学商学部
-
李 甲斗
慶應義塾大学商学研究科
-
黒川 文子
慶應義塾大学商学研究科
-
韓 中和
慶應義塾大学商学研究科
-
清水 馨
慶應義塾大学商学研究科
-
園田 智昭
慶應義塾大学
-
清水 馨
慶應義塾大学
-
十川 廣國
慶應義塾大学
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