ホームセンター店舗の経営力評価モデル : ニューラルネットワークを用いて
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概要
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1972年に埼玉県に誕生したと言われる日本のホームセンターは,米国式スーパー・GMSなどのチェーオペレーション方式をうまく活用し,順調に成長を遂げ,今や3兆円市場と呼ばれるまでになった。しかし近年ではその勢いに陰りが見られ,成長に歯止めがかかってしまっている。ホームセンターという市場はまだ新しく,一定のフォーマットが存在しないため,今後の成長要因を探るための理論的フレームワークは不十分である。本研究では,そのようなケースに適用可能である,ニューラルネットワーク手法を用い,ホームセンター店舗の経営力評価モデルの構築を試みている。そのために,「21世紀HC経営研究会」によるデータを用いたが,これには複数のホームセンター企業の店舗別の経営要因(戦略関連,店長・社員関連,財務データetc.) 170項目が含まれており,このような分析がなされるのはおそらく日本で初めてである。というのは一企業による店舗別データの分析はあったが,複数企業の店舗別データ,それも営業利益段階にまで踏み込んだ店舗別財務データはおそらく皆無であるからである。ホームセンター経営力評価理論のフレームワークの不十分さから,本研究では,通常はデータの検証に用いられるQAQF (定性要因の定量分析法)を仮説構築のために用い,そこから導き出された仮説をニューラルネットワークに学習させる,という方法を採った。その結果,粗利人件費比率,在庫回転期間,日曜日来店客数,売上上位5部門構成比が重要な要因として抽出され,更に社員の質,という問題が今後のホームセンター経営のポイントになることを確認した。
- 慶應義塾大学の論文
- 2002-02-25
著者
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