企業評価基準としての社会性 : Revisited
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
企業経営にとっての環境要因が注目されており,もはや単なるコストではなく,競争力・イノベーションを生み出す原動力である,と言われている。これは企業評価基準を考える際にも無視できない存在であるが,それをそのまま基準にすることはできない。企業は環境保護のために存在しているわけではないからである。企業評価基準は企業目的に関連させて考えられるべきで,この社会からの要請という意味での環境要因は,従業員の生活向上,地域貢献,社会貢献など,様々なステークホルダーからの要請をトータルに考慮する社会性の一つとして考えることができる。社会性を企業評価基準に加えることにより,従来の収益性および成長性による財務業績基準では評価できなかった面が明らかになる。本論文では,財務業績・社会性のともに高いType I企業,ともに低いType II企業,財務業績のみ高いType III企業,社会性のみ高いType IV企業という分類を行ない,それらの企業の財務業績を追跡調査し,従来の財務業績基準のみでは差を見出せなかった, Type IとType III,およびType IIとType IVの差に意味があるか否かを検証している。その結果,企業にとっての社会性は,業績の低迷・悪化防止,回復にとって重要であることが確認された。
- 慶應義塾大学の論文
- 2000-12-25
著者
関連論文
- アメリカ・ニューイングランド地域における日系企業のケース : 現地法人4社のトップへのインタビュー
- 山口県発ベンチャー成長の事例研究 : 世界を目指すファーストリテイリング社とプライムゲート社の事例
- 「環境不測時代の経営」に関するアンケート調査(2)
- 「環境不測時代の経営」に関するアンケート調査
- ホームセンター店舗の経営力評価モデル : ニューラルネットワークを用いて
- 清水龍瑩先生の教え
- コーポレートガバナンスと企業業績
- 企業評価基準としての社会性 : Revisited
- ニューラルネットワークの経営学研究への適用可能性II (故鈴木清之輔教授追悼号)
- ニューラルネットワークの経営学研究への適用可能性I
- ザッツ・オーケー・ノー・プロブレム : 商学部長 十川廣國君
- エキスパート・システムの企業評価論への適用可能性 III : フレーム理論の応用
- 韓国の財閥企業グループ : その特徴と経済危機下におけるマネジメント