組織変革における「環境創造」とリーダーシップ
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文は,環境認知という視点からの創発的な組織変革について考察を試みる。組織変革の重要な側面として企業の環境創造を取り上げ,環境創造を多義的な環境情報のなかから新たな意味を組織内で解釈し環境に働きかけていくことと捉える。環境創造は組織内における組織成員の相互作用を通じて創発的に現れるという面から検討が加えられるが,その活動はその時点での環境の諸条件だけでなく,当該組織に蓄積され共有されている知識に依存する。組織が変革されるというには,組織に共有された知識の変更が行われなければならない。組織に共有された知識が変更されるためには,環境に対する新たな意味の創出→企業成長への影響→新たな知識の獲得→環境に対する新たな意味の創出→・・・という循環が,積極的な学習状況の下で組織内に常に起こっている必要がある。こうした組織変革が行われるためにはミドル・マネージャーが重要な要因である。ミドル・マネージャーには,組織成員の積極的な相互作用を促進させるように集団内部に働きかけること,創出された意味を組織全体のものとして造り上げていくという役割が必要とされる。
- 慶應義塾大学の論文
- 1993-06-25
著者
関連論文
- 製品イノベーションを誘導する組織プロセス
- マネジメント・イノベーションと組織能力の向上 : 新たな競争優位構築を目指して
- イノベーションの源泉としての学習能力
- 「新時代の企業行動-継続と変化」に関するアンケート
- 『未来創造型経営』に関するアンケート調査
- 『戦略経営』に関するアンケート調査
- 『企業変革のマネジメント』に関するアンケート調査(2)
- 『企業変革のマネジメント』に関するアンケート調査
- 『変革期の経営』に関するアンケート調査
- 「脱成熟化へ向けての経営」に関するアンケート調査
- 「環境不測時代の経営」に関するアンケート調査(2)
- 「環境不測時代の経営」に関するアンケート調査
- 変化の時代における不変のマネジメント
- 「新時代の企業行動 - 継続と変化」に関するアンケート調査 (3)
- 「新時代の企業行動- 継続と変化」に関するアンケート調査(2)
- 持続的競争優位を獲得するためのイノベーションと日本企業の行動
- 市場創造型新製品・新事業開発と組織能力
- 戦略的イノベーションと組織能力に関する一考察 : 将来市場の創造の実現を目指して(環境変化と企業経営)
- 問われる組織能力
- 戦略的イノベーションと組織能力
- 組織変革における「環境創造」とリーダーシップ
- 日本企業におけるイノベーションと組織能力 (十川廣國教授退任記念号 [慶應義塾大学]商学部創立50周年記念)
- 製品イノベーションのためのコラボレーション
- 日本企業におけるイノベーション・プロセスの再検討