米の PCR 品種判別におけるコシヒカリ用判別プライマーセットの開発
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概要
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精米の袋に品種,産地,生産年を表示することが義務づけられたため,客観的方法によって表示の正否を確かめるための技術開発が必要とされている.そこで,農業試験場の基準品種を試料とし, PCR法による実験に供試した.有望なRAPDプライマーを用いて品種識別バンドを選定し,アガロースゲルから切り出したDNAを大腸菌に組み込んで増幅し,その塩基配列を決定した.その配列のRAPDプライマー部分から延長して15〜29量体のフォワードプライマーおよびリバースプライマーを設計した.こうして作成したSTS化プライマーを組み合わせることにより,「コシヒカリ」を他の品種と識別するためのポジティブプライマーセットおよびネガティブプライマーセットを開発した.これらのセットを用いるPCRにより,全国の33産地の「コシヒカリ」では同一のDNAパターンが得られ,「コシヒカリ」と他の49品種との識別が可能であることが明らかとなった.このプライマーセットの開発により, 1粒の米試料による「コシヒカリ」の同定が可能であるばかりでなく,他品種米の混入も簡易かつ明瞭に検出することが可能となった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
- 2002-04-01
著者
-
中村 澄子
独立行政法人食品総合研究所
-
大坪 研一
農林水産省食品総合研究所
-
大坪 研一
独立行政法人食品総合研究所
-
大坪 研一
独立合成法人食品総合研究所
-
中村 澄子
独立合成法人食品総合研究所
-
今村 太郎
独立合成法人食品総合研究所
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