フッ素イオン選択性電極を用いるフッ素イオンの定量法 : アルミニウムのマスキングおよびガラス分析への応用
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概要
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フッ素イオン選択性電極を用いて,ガラス中のフッ素イオンを定量する際の試料の分解法,アルミニウムのマスキングについて調べ,正確で迅速な定量法を確立した.<BR>ガラスの分解には,水酸化ナトリウムを用いる融解法が迅速であった.次に融成物を水に溶かし,塩酸でpH2付近まで下げ,pH6のクエン酸ナトリウム緩衝液を加えることにより,アルミニウムなどの金属イオンを完全にマスクすることが可能となり,ガラス中のフッ素イオンの定量を正確に行なうことができた.<BR>クエン酸によるアルミニウムのマスキングは,フッ素イオン濃度に依存し,フッ素イオン濃度が小さいほど共存可能なアルミニウム量は増加する.したがって未知試料中のフッ素の定量では,同一定量値が得られるまで,クエン酸濃度を一定に保ちながら試料溶液をうすめて測定をくりかえすことによって,アルミニウムの妨害を除き,定量値の正確さを確認することができた.<BR>本法をリン鉱石および水中のフッ素の定量にも応用して好結果を得た.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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