ヒノキ・ツガ天然生林における下層植生の葉面積推定
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概要
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高知県南西部の暖温帯上部天然林で,木本を主とする下層植生(幹長30cm以上,胸高直径5cm以下)の葉面積指数を推定した。ヒノキとツガが優占する尾根筋と,常緑広葉樹が多く混生する斜面に設けた22箇所の小調査区,及びヒノキ択伐で生じたギャップ内に設けた横断トランセクトで下層植生を構成する個体のサイズ構造を求めた。下層植生の現存量と葉面積指数を推定するために林内及びギャップ内から常緑広葉樹の小個体を採取し,サイズと幹枝重,葉重,ならびに葉面積とのアロメトリーを決定した。幹枝重は地際直径(D_0)と幹長(L)をもとに算出したD_0^2Lとの間に,葉重及び葉面積はD_0との間にそれぞれ回帰決定係数の大きいアロメトリーが成立した。これらから推定した下層植生の平均現存量は,林内で幹枝と葉がそれぞれ2.0及び0.62ton/ha,ギャップ内で5.94及び2.39ton/haであった。下層植生の葉面積指数の平均値とその範囲は,林内で0.78m^2/m^2(0.08〜2.18m^2/m^2),ギャップ内平均で2.90m^2/m^2(0.31〜7.87m^2/m^2)と推定された。下層植生の葉量は,これまでに得られている日本の常緑広葉樹林における上木の推定値に比して現存量で約1/4,葉面積指数で1割前後と無視できない。
- 応用森林学会の論文
- 2003-09-29
著者
-
酒井 敦
国際農林水産業研究センター
-
倉本 惠生
森林総合研究所北海道支所
-
酒井 武
森林総合研究所森林植生研究領域
-
竹内 郁雄
森林総合研究所四国支所
-
奥田 史郎
森林総合研究所四国支所
-
田淵 隆一
森林総研
-
田淵 隆一
森林総合研究所
-
奥田 史郎
森林総合研究所
-
酒井 敦
森林総合研究所四国支所
-
酒井 武
森林総合研究所四国支所
-
酒井 敦
国際農林水産業研究セ
-
田淵 隆一
森林総合研 多摩森林科学園
-
倉本 惠生
森林総合研 北海道支所
-
倉本 恵生
森林総合研究所四国支所
-
大黒 正
森林総合研究所四国支所
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