ヒノキ若齢人工林における形状比の変化
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概要
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若齢のヒノキ4林分とスギ1林分について, 樹冠閉鎖前から閉鎖後にかけての14〜17年間, 形状比(樹高/胸高直径)の変化を調べた。各林分での胸高直径と形状比の関係は, 胸高直径が大きい個体ほど形状比が低く, 林齢ごとに逆数式で近似できた。林分の平均形状比は, すべての林分で初期には成育にともなって低下した。平均形状比の低下速度は, 平均樹高の小さい時期が特に大きかった。この低下は, 胸高の相対的位置の変化に対応している。地位指数が最も低い1林分を除いて平均形状比は, 極小値を持った。立木密度がほぼ同じヒノキ林分で比較すると, 地位指数の高い林分では平均形状比の極小値が高く, 極小値を示す平均樹高は低かった。平均形状比が極小値を示す時期は, 地位指数の高い林分では枝下高に大きな変化のみられない頃で, 地位指数の低い林分では枝下高が高くなってからであった。極小値を示したあとの平均形状比と平均樹高との間には直線関係がみられ, 樹冠の閉鎖が原因と考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1997-08-16
著者
-
竹内 郁雄
森林総合研究所四国支所
-
森 茂太
森林総合研究所東北支所
-
森 茂太
ムラワルマン大学熱帯降雨林再生研究所:(現)森林総合研究所北海道支所
-
川崎 達郎
森林総研
-
川崎 達郎
森林総合研究所
-
森 茂太
森林総合研
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森 茂太
森林総合研究所北海道支所
-
川崎 達郎
森林総合研
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