落葉広葉樹二次林における林冠ギャップの大きさが土壌水分に与える影響
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概要
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大きさが12m×12mと7m×7mの2個の人工的な林冠ギャップおよびこれに隣接する落葉広葉樹二次林内の計3カ所において、5cm、15cmおよび30cmの深さの土壌水分を着葉期と開葉以前に測定した。また、12m×12mのギャップ内と林内にて雨量を測定した。その結果、着葉期では、林内の土壌が一番乾燥し、7m×7m、12m×12mの人工ギャップ内の土壌の順に湿っていた。このギャップの大きさによる土壌水分の差は降雨量が十分な場合、あまり大きくなかったが、降雨量が少なくなると、かなり大きくなった。とくに、平年の降雨量の数%以下しか降らなかった1992年8月から9月にかけては、林内と7m×7mの土壌はセンサーの測定限界以上に乾燥したが、12m×12mの土壌は相対的に湿っていた。一方、開葉以前では、ギャップの大きさによる土壌水分の差はわずかであった。これらは、着葉期では林冠からの蒸発散によって失われる水分が、ギャップ内の土壌表面から蒸発する水分より多いためと考えられた。また、土壌水分は深さによっても異なっていた。降雨直後の一時期を除けば、深い土壌は浅い土壌よりつねに湿っていた。着葉期に雨が少ないと土壌が非常に乾燥することから考えて、土壌水分はギャップ内の微気象の中で大きな要因の一つであるといえる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1994-07-01
著者
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