ヒノキ,ツガ,モミの種子散布と実生の発生・消長
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概要
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ヒノキ,ツガ,モミなど温帯性針葉樹を主体とする成熟した林分で,1994年秋から1997年春までのヒノキ,ツガ,モミの種子散布と実生の発生.消長について調べた。ヒノキ,ツガは1995年が豊作と考えられ,その翌年春に実生の発生がみられた。モミは,1994年,1995年に種子散布が行われて1995年,1996年に実生の発生がみられた。1996年は3種とも種子散布が少なく,1997年に実生の発生はみられなかった。春から初夏にかけて発生した実生は秋までに多くが死亡したが,秋まで生存した実生はほとんどが翌年春まで生き残った。発生した実生の1年後の生存率は,モミ,ツガ,ヒノキの順に高かった。傾斜の急な斜面では,ヒノキ,ツガの実生は100%死亡した。ヒノキの実生はギャップでのみ生存した。ツガでは林内でも生存した実生があったがギャップで生存率が高かった。モミは,傾斜が急な斜面でも生存できる個体があった。これら実生の生態的特性が地形によって林分構造が異なる一因と考えられた。
- 応用森林学会の論文
- 1998-03-25
著者
-
倉本 惠生
森林総合研究所北海道支所
-
酒井 武
森林総合研究所森林植生研究領域
-
田淵 隆一
森林総研
-
田淵 隆一
森林総合研究所
-
酒井 武
森林総合研究所四国支所
-
田淵 隆一
森林総合研 多摩森林科学園
-
倉本 惠生
森林総合研 北海道支所
-
大黒 正
森林総合研究所四国支所
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