インゲンマメ(Phaseolus vulgaris L.)の成長に対する支柱の効果およびつる性とつるなし性品種の成長比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
一年生つる植物の物質生産過程,物質分配様式に支柱の有無が及ぼす影響を検討した。つるあり種およびつるなし種のインゲンマメを栽培し,つるあり種には地上高1.5mの支柱を立てた有支柱区と支柱を立てない無支柱区を設け,成長解析を行った。播種後70日目の個体乾重は,つるあり有支柱区は平均で60g,つるあり無支柱区は平均で43gであり,有支柱区が有意に大きかった。有支柱区では生産構造が鉛直方向に発達し,光を効率的に利用できるので成長量が大きくなったと考えられた。逆に無支柱区では,葉が地面の近くに密生するため葉層下部の光環境が悪くなり,成長量が低下したと考えられた。つるあり種において,相対成長速度(RGR)および純同化率(NAR)の経時変動パターンは支柱の有無に影響を受けなかった。つるなし種はつるあり種に比べ成長初期におけるRGRが大きい反面NARは大きくなく,品種による物質生産過程の相違が示唆された。また,つるなし種は地際直径が大きく地下部への分配率が高いことから,自重を支える生活に適応していると考えられた。
- 応用森林学会の論文
- 1998-03-25
著者
関連論文
- 針葉樹人工林におけるアカメガシワの種子散布者としての鳥類
- ヒノキ・ツガ天然生林における下層植生の葉面積推定
- 棚田跡に植栽したスギ人工林の林床植生
- 暖温帯人工林における果実食鳥類群集の季節変動と先駆性樹種の果実熟期の対応関係
- ヒノキ・ツガ天然林内の実生の生残
- 四万十川流域の暖温帯上部天然林におけるリターフォール量の季節変化
- クロバイの更新と生育特性
- アカガシの開花結実と堅果の発達過程における生残
- 密植したタイワンフウ若齢林分の構造
- ヤマハゼRhus sylvestris果実の鳥類による被食過程
- 四国の暖温帯の里山環境におけるカラスザンショウの種子の散布者
- 先駆性樹木7種の開花結実フェノロジーと5年間の結実年変動
- 鳥類によるタラノキ果実の被食と種子散布
- 鳥類による種子散布が針葉樹人工林伐採跡地の植生回復に果たす役割
- インゲンマメ(Phaseolus vulgaris L.)の成長に対する支柱の効果およびつる性とつるなし性品種の成長比較
- スギ植栽木の成長と下刈り対象木の競合状態との関係
- 森林景観において境界効果はどこまで及んでいるのか?(森林の"境目"の生態的プロセスを探る)
- 森林の"境目"の生態学的プロセスを探る : 趣旨説明(森林の"境目"の生態的プロセスを探る)