四万十川森林計画区における持続可能な森林経営のための生物多様性のモニタリング

概要

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高知県の四万十川森林計画区で実施された「森林生態系を重視した公共事業の導入手法調査」によるモントリオール・プロセスの基準・指標のモニタリングのうち,生物多様性に関する項目について10年間の調査結果を検討した。四万十川森林計画区の全区域(流域単位),市町村単位,施業団地(重点調査区域)という3つの階層ごとに地域レベルで調査可能な指標を抽出し,毎年調査する項目,5〜10年の間隔で調査する項目,1回だけ調査する項目に区分した。生態系の多様性では,森林タイプ別面積,齢級階別の面積,保護地域における森林タイプごとの面積および保護地域における齢級階別の森林タイプごとの面積を集計した。種の多様性では,植物,哺乳類,鳥類河川性魚類および昆虫のいくつかの群(カミキリムシ類,アリ類,トンボ類)について,森林依存種数及び希少な種の状態を把握した。遺伝的多様性では,トンボ類について重点調査区域での経年的な現地調査から従来の分布域より小さな部分を占める森林依存種の数を示した。以上の結果,四万十川森林計画区では生物多様性に関する7指標が適用され,持続可能な森林経営のための地域レベルでのモニタリングとして活用されうるものと判断した。
応用森林学会の論文
2006-09-30

四万十川森林計画区における持続可能な森林経営のための生物多様性のモニタリング

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