スギ人工林におけるスギカミキリ成虫発生の年次変動
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概要
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スギ・ヒノキの材質劣化害虫として知られるスギカミキリは, 近年造林地における被害が問題になってきた。関東地方においても一林分内の発生の型を明らかにし, 個体数変動機構を解明する目的で, 1985〜88年にわたって森林総合研究所千代田試験地のスギ林分(1974年植栽)において, 成虫脱出孔の全木調査を行った。.その結果, 侵入に成功した1982年以降86年まで, 発生した成虫数は毎年指数的に増加したことが示唆された。枯死木も1985年以降指数的に増加した。1986年にはほぼ全木から脱出孔が見出されたが, この頃から個体数の増加は頭打ちになり, 88年には激減した。この結果は, 林齢でみた時間的経過において京都市内のスギ林分での調査結果と同傾向であった。脱出孔の林分内および樹幹内空間分布の時間的変化より, この林分におけるスギカミキリの大発生をうながした要因および終息をもたらした要因を考察した。
- 日本森林学会の論文
- 1990-03-01
著者
-
尾崎 研一
森林総合研究所北海道支所
-
尾崎 研一
森林総合研究所北海道支所:(現)森林総合研究所森林昆虫研究領域
-
尾崎 研一
森林総合研究所
-
佐藤 重穂
森林総合研究所四国支所
-
福山 研二
森林総研
-
福山 研二
森林総合研
-
福山 研二
森林総合研究所
-
福山 研二
(独)森林総合研究所
-
藤田 和幸
森林総合研究所関西支所
-
藤田 和幸
森林総合研
-
藤田 和幸
森林総研
-
藤田 和幸
森林総合研究所
-
藤田 和幸
森林総研・関西
-
佐藤 重穂
森林総合研究所
-
藤田 和幸
森林総研関西支所
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