オオアカズヒラタハバチの大発生とそれに伴うエゾマツの枯損
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概要
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1930年に植栽されたエゾマツ壮齢人工林に、1984年から1992年にかけてオオアカズヒラタハバチが大発生した。大発生個体群では2年1世代の個体が卓越し、しかも羽化年がほぼ同調していたため、激しい食害は隔年で起こった。大発生は局所的な大発生中心からしだいに林分全体に拡大した。1988年に土中の老熟幼虫密度がピーク(300〜600頭/m^2)に達した後、おそらくはBeauveria bassianaによる硬化病の流行によって大発生個体群は崩壊した。エゾマツの枯死率は21〜42%に達し、大部分の枯死木の樹皮下にはArmillaria bulbosaに酷似したナラタケ属菌の菌糸膜が見られた。
- 日本森林学会の論文
- 1994-11-01
著者
-
尾崎 研一
森林総合研究所北海道支所
-
尾崎 研一
森林総合研究所
-
前藤 薫
森林総合研究所北海道支所:(現)森林総合研究所
-
前藤 薫
神戸大院農・昆虫
-
前藤 薫
森林総合研究所四国支所
-
前藤 薫
森林総合研究所北海道支所
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