スギ・ヒノキの材変色被害に関与するキバチ類とその共生菌 : 防除技術の構築を目指して
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概要
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キバチ類に関する最新の研究成果から, キバチ類および共生菌に関する知見を整理し, ニホンキバチによるスギ・ヒノキの材変色被害の防除対策について論じた。ニホンキバチの産卵を受けた生立木では, 同時に接種されるAmylostereum菌によって樹木の木部に変色が生じ, 部分的に水分通導阻害が生じるものの, 枯死までには至らない。また, ニホンキバチの共生菌には, 顕著な木材腐朽力も認められない。間伐木が放置された林分では, ニホンキバチは間伐1年後に大量発生するが, 間伐から3年を経過すると発生は終息する。ニホンキバチのメス成虫は伐倒直後の間伐木に選択的に産卵し, 伐倒から長期間経過した間伐木に産卵した場合には, その翌年の脱出成虫数はきわめて少ない。また, 全幹放置木に比べ玉切り処理木では, 産卵翌年の成虫脱出数が激減したという報告もある。近年の研究成果を総合して, 最も現実的かつ効果的な防除法は, 間伐時期の調整と玉切り処理の併用であることが示唆された。
- 日本森林学会の論文
- 2001-05-16
著者
-
前藤 薫
森林総合研究所北海道支所:(現)森林総合研究所
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前藤 薫
神戸大院農・昆虫
-
前藤 薫
森林総合研究所四国支所
-
福田 秀志
日本福祉大学健康科学部
-
前藤 薫
森林総合研究所北海道支所
-
福田 秀志
日本福祉大学情報社会科学部
-
福田 秀志
日本福祉大 健康科学
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