温帯落葉樹林の皆伐後の二次遷移にともなう昆虫相の変化
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概要
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茨城県北部にある老齢自然林と皆伐後の経過年数の異なる二次林にマレーズトラップを設置して, 昆虫相を比較した.その結果, 林齢にともなう昆虫の種数と種組成の変化は, 昆虫のグループによって大きく異なることが分かった.カメムシ類とスズメバチ類では, 森林の遷移にともなう種数や種組成の明瞭な変化は認められなかった.チョウ類の種数は, 若い二次林に最も多く, 古い二次林ではやや減少した.また, 林齢によって種組成が変化した.カミキリムシ類は古い二次林で最も多くの種が捕獲され, 種組成は森林の遷移に応じて変化した.一方, クワガタムシ類は種数, 個体数ともに老齢自然林が最も豊富であった.林業地域において森林昆虫の多様性を保全するには, 昆虫の生息場所としての二次林の役割と限界について十分に理解する必要があろう.
- 日本昆虫学会の論文
- 1999-03-25
著者
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