改良型天敵微生物付与装置を用いたキイロコキクイムシ放虫によるマツノマダラカミキリに対する感染率
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概要
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マツノマダラカミキリの天敵微生物であるBeauveria bassianaを使用してマツ枯損を防止する技術の確立をめざし, 秋田県秋田市の海岸クロマツ林において, 1995年と1996年に改良型天敵微生物付与装置によるキイロコキクイムシの多量放虫を行った。効果の判定は, 放虫点から4方向に配置した餌木内の, マツノマダラカミキリ幼虫の感染死亡率によって行った。その結果, 付与装置1基から推定20,000頭以上のキイロコキクイムシが放虫され, 越冬前までの感染率は, 1995年は放虫処理区全体で1.3%, 1996年は13.9%であった。1995年処理材の翌年羽化脱出直前における感染率は11.5%に上がった。方位別では一定の傾向が見られず, 距離別では放虫点から離れるに従って感染率が低下し, 高さ別では樹幹中央部付近で感染率が高くなる傾向が見られた。これらはキイロコキクイムシの飛翔特性および寄主木への穿入特性と関連があると思われた。マツ枯損防除への実用化には施用方法等の改良が必要と考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1999-02-16
著者
-
槇原 寛
森林総合研究所
-
衣浦 晴生
森林総合研究所関西支所
-
藤岡 浩
林業科学技術振興所東北事務所
-
槇原 寛
森林総研
-
大谷 英児
森林総合研究所東北支所保護部昆虫研究室
-
長岐 昭彦
秋田県林業技術センター
-
長岐 昭彦
秋田森技センター
-
槇原 寛
独立行政法人森林総合研究所
-
藤岡 浩
林業科学技術振興所
-
長岐 昭彦
秋田県農林水技セ 森林技セ
-
衣浦 晴生
森林総合研 関西支所
-
大谷 英児
森林総合研究所
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