ミズナラ堅果のサイズと散布前昆虫食害による死亡の関係
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概要
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ミズナラの堅果サイズと種子食昆虫による散布前食害を北海道の天然生林で1991年から1992年にかけて調査した。散布前の堅果はしばしばシギゾウムシ類(ゾウムシ科)かサンカクモンヒメハマキ(ハマキガ科)に、あるいはまれにヨツメヒメハマキ(ハマキガ科)やネマルハキバガ科の一種によって食害された。シギゾウムシ類あるいはサンカクモンヒメハマキによる虫害堅果と健全堅果のあいだに堅果の長さの違いは認められなかった。しかし、それら虫害堅果の生死は堅果サイズによって左右され、堅果が大きくなるとともに健全な上胚軸をもつ虫害堅果の割合は上昇した。長さ18mmより大きな堅果に限れば、シギゾウムシ類による虫害堅果の30〜38%、サンカクモンヒメハマキによる虫害堅果の13〜22%が健全な上胚軸をもっていた。一個の堅果から脱出するサンカモンヒメハマキの幼虫数はつねに1頭であったが、シギゾウムシ類の脱出数は1頭から7頭と一定しておらず、その上限は堅果の大きさで決まっていた。
- 日本森林学会の論文
- 1995-05-01
著者
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