間伐がヒノキ林土壌の二酸化炭素放出およびメタン吸収に及ぼす影響
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概要
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高知県東津野村のヒノキ2林分(TNG,FMY)において,森林土壌からのCO_2放出速度とCH_4吸収速度を測定した。2002年春にそれぞれの林分に隣接する20×20m^2の無間伐区の対照区と間伐区を設定した。2002年8月から翌年3月まで毎月クローズドチャンバー法を用いてCO_2,CH_4フラックスを算出した。対照区,間伐区のCO_2放出速度の平均値は,TNGでは1.24, 0.91gCm^<-2.d^<-1>,FMYでは1.39, 1.44gCm^<-2>d^<-1>であった。一方,対照区,間伐区のCH_4吸収速度は,TNGで3.20, 2.13mgCm^<-2>d^<-1>,FMYでは2.12, 2.53mgCm^<-2>d^<-1>であった。反復測定データに対する多変量モデルで解析した結果,TNGでは間伐区で対照区と比べてCO_2放出速度が小さく(P=0.03),CH_4吸収速度が小さかった(P=0.07)。TNGでは,間伐区で表土流亡が大きく,表層土の容積重が低下したために,CH_4吸収速度が小さいと考えられた。一方,FMYのCO_2放出速度では試験区間に差はみられなかったが,CH_4吸収速度では時間と試験区の相互作用が有意であった(P=0.04)。したがって,間伐がヒノキ人工林土壌のCO_2放出速度とCH_4吸収速度に及ぼす影響は林分によって異なっていた。
- 応用森林学会の論文
- 2004-09-30
著者
-
石塚 成宏
森林総合研究所立地環境研究領域
-
深田 英久
高知県立森林技術センター
-
阪田 匡司
森林総研
-
高橋 正通
森林総研
-
稲垣 善之
森林総研四国
-
石塚 成宏
森林総研北海道
-
石塚 成宏
独立行政法人森林総合研究所:(現)独立行政法人森林総合研究所九州支所
-
稲垣 善之
森林総合研究所
-
INAGAKI Yoshiyuki
Forestry and Forest Products Research Institute
-
阪田 匡司
森林総研北海道支所
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