キャリア形成を促進する看護基礎教育への課題 : 短大卒業生の母校四大化への期待

概要

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新見公立短期大学は昭和55年度に開学し,看護学科では既に1,500人を超える卒業生を送り出してきた。また,平成16年度に1年間の保健師養成課程の地域看護学専攻科を新設した.しかし,看護学科3年間と専攻科1年間の積み上げによる過密なカリキュラムの中での教育では,現代の社会ニーズに対応できる人材育成には余裕がないのが現状である.学生の約4割が四年制大学編入や保健師・助産師養成課程への進学を希望しており,その傾向は強まっている.学生の主体性や豊かな人間性を育み,十分な専門的知識と技術とを兼ね備え,医療施設のみならず,家庭,地域,社会への幅広い視点を持った保健師・看護師の育成を図ることを目的として,四年制大学への移行を考えた.本稿では,看護基礎教育の四大化において,短大卒業生の反応や期待を調査し,卒業後のキャリア形成に寄与する基礎教育の枠組みを明確にすることを目的とした.その結果,回答した卒業生の約9割が四年制大学への移行を望んでおり,教育内容としては専門的な知識技術や人間関係能力など,人間力と看護力を備えた有意な人材の育成を期待していることがわかった.