現職教員のための「改善指向遠隔研修コース」の枠組みと運用条件に関する検討 : 研修と実践を継続的につなぐ遠隔研修コースの開発に焦点化して
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概要
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現職の教員研修のねらいの一つは,研修の成果を日常の教育活動の改善に活かすことにある.そのためには,研修と実践を一定期間,継続的に実施することが有効である.しかし,通常の研修形態は,学習者が物理的に研修の場へ移動する集合研修が中心のため,研修後の教育実践の改善は個々の学習者に委ねられている.そこで,本研究では,遠隔研修の特性を活かし,学習者が具体的な教育改善の構想から実践を完了するまでの期間,継続的に学習者自身が研修と実践を行き来し,インストラクタや他の学習者と相互に関わり合いながら研修課題の解決を図っていく遠隔研修コースを,研修課題構成,インタラクション,研修のマネジメントの3つの要件を枠組みとして設計開発し,教育センターの研修において2年にわたる実践研究を行った.その結果,3つの要件について肯定的な結果が得られるとともに,効果的な運用のための条件として,研修課題構成においては,学習者すべての教育活動に共通するような一般性とともに個々の学習者が実践可能な課題であること,研修マネジメントでは,理論理解の局面においてはインストラクタと,実践化の局面では学習者間のインタラクションの活性化を目指すとともに,掲示板におけるインフォーマルな会話が共同体意識の醸成に有効であることが示唆された.
- 2009-10-10
著者
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益子 典文
岐阜大学総合情報メディアセンター
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川上 綾子
鳴門教育大学大学院
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川上 綾子
鳴門教育大学学校教育学部
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戸田 俊文
熊本県教育庁
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宮田 敏郎
熊本県阿蘇市立山田小学校
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宮田 敏郎
兵庫教育大学連合学校教育学研究科
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宮田 敏郎
鳴門教育大学大学院
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川上 綾子
鳴門教育大学
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