雌・雄ラットにおけるn-3系多価不飽和脂肪酸保留におよぼす飼料脂肪酸の種類の影響

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n-3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の体内蓄積量が他の脂肪酸の存在とどのように関係するか検討するため、ラットに不飽和度の異なる脂肪酸とEPA同時投与した時、EPAおよびEPAから誘導された各種n-3 PUFAの体内蓄積率の相違を検討すると共に、ラット雌雄の差も検討した。予め5日間10%オリーブ油飼料を投与した4〜5週齢のSD系の雄と雌ラットをそれぞれ4〜5群に分け、その内1群を初期対照群として実験開始時屠殺、他群に2.5%EPA濃縮油(90%EPA-ethylate)を含むAIN-76組成飼料にヤシ油、オリーブ油またはサフラワー油を7.5%添加した3種類の飼料をそれぞれ10日間投与し、飼料摂取量から摂取量を算出した。最終日早朝7時間絶食、採血屠殺、肝臓を摘出した。ラットの肝臓摘出後の全体躯(カーカス)をミンチ後混合した。肝臓とカーカスはC-M混液で抽出し、内標(C_20:0)を添加しn-3 PUFAをGLCで測定した。n-3 PUFAの蓄積は初期群のそれを差し引きすることにより算出した。体重増加はどの飼料群でも雄より雌少なかったが、飼料とEPA摂取量は雌雄どの群も似ていた。摂取EPA量に対する肝臓中の総n-3 PUFA蓄積率は雌雄いずれも飼料脂肪酸の不飽和度に応じて低下したが、雌でその傾向が強かった。カーカスでもn-3 PUFAの蓄積率は肝臓のそれと似た傾向を示したが、雌の方が全体に低値を示した。総n-3 PUFAに対する各n-3 PUFA濃度の割合は雌雄とも高不飽和度のサフラワー油群でEPA低下と若干DHA上昇を示した。カーカスでも雌でこの傾向がみられ、また雄より雌で全体にDHAの割合が高かった。これらから、飼料脂肪酸の不飽和度と性差がn-3 PUFAの蓄積と代謝に影響を与えると推定され、n-3 PUFA摂取の効果は他のPUFA摂取で低下し、雌でその影響が大きい可能性を示唆した。
2004-03-31

雌・雄ラットにおけるn-3系多価不飽和脂肪酸保留におよぼす飼料脂肪酸の種類の影響

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