ラット血清および肝臓脂質に及ぼすオキアミと卵黄由来の精製リン脂質投与の影響の差異について

概要

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脂肪酸組成の著しく異なった2種の精製リン脂質(オキアミリン脂質,卵黄リン脂質)およびオリーブ油(対照)をそれぞれ5%添加した高コレステロール飼料をラットに投与し,リン脂質そのものの種類の差異とリン脂質に含有される脂肪酸の種類の差異が血清,肝臓の脂質濃度などにどの様に影響を与えるか検討した。1)血清,肝臓の総コレステロール濃度は5%オキアミリン脂質,5%卵黄リン脂質のそれぞれの投与で対照群と比較して,上昇が抑制された。また,血清HDL-コレステロール濃度はそれらの群でいずれも上昇した。一方血清および肝臓中トリグリセリド濃度で,オキアミリン脂質投与群は卵黄リン脂質群に比べ明らかに低値を示していた。2)コレステロールの糞中への見かけの排泄率はいずれのリン脂質投与でも対照群に比べ高値を示したが,同時に糞中へのクロロホルム-メタノール混液への可溶性区分のリン脂質量もこれらの群で増加していた。3)5%オキアミリン脂質投与群では,睾丸周辺脂肪組織の重量は対照群より低下していた。これらの結果から,これら2種のリン脂質は飼料コレステロールの吸収阻害作用の結果として血清,肝臓コレステロール上昇抑制において似たような作用を示すが,これらリン脂質の脂肪酸組成の差異は血清,肝臓のトリグリセリドに対してそれぞれ異なった効果を示すことを認めた。
帝京短期大学の論文
1989-11-10

ラット血清および肝臓脂質に及ぼすオキアミと卵黄由来の精製リン脂質投与の影響の差異について

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