反芻類家畜の膵臓におけるガラニン神経(解剖学)
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概要
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牛, 羊, 山羊の胎子, 幼子, 成体の膵臓におけるガラニン様免疫反応性(Gal-IR)神経の分布を免疫組織化学的に検索した. 本研究では, 牛膵臓において, 以前の我々の成績であるGal-IRの神経要素と内分泌要素(大膵島内分泌細胞)の両方での局在を再確認したが, 羊と山羊の膵臓ではGal-IRは神経要素のみにしか認められないことを明らかにした. さらに, Gal-IR神経線維は牛で多く, 羊と山羊で比較的少なく認められた. Gal-IR神経線維の最初の出現は牛胎子でもっとも早く, 羊と山羊胎子のそれは牛胎子より遅かった. Gal-IR神経線維は胎子の成長とともに増加し, 生後一週齢でもっとも高頻度に認められ, その後羊と山羊では間もなく減少し始めたが, 牛では生後3ヶ月頃から減少し始めた. 牛と山羊ではGal-IR神経線維は外分泌腺房, 導管, 血管の周囲で比較的多く認められ, 膵島では少なかったが, 羊ではこのような分布に差異は認められなかった. Gal-IR神経細胞体は膵臓内神経節で認められたので, Gal-IR神経線維のある部分は内在性のものと考えられた. 今回の結果によりガラニンは, 反芻動物の膵臓機能の調節において神経伝達あるいは調節物質としての役割を持ち, ガラニンの要求度は小型反芻動物よりも大型反芻動物でより高く, また牛では周生期においてより重要な役割を果たしている可能性が考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2001-08-25
著者
-
佐々木 基樹
帯広畜産大学獣医学科基礎獣医学講座
-
山田 純三
帯広畜産大学家畜解剖学教室
-
佐々木 基樹
東京大学総合研究博物館
-
山田 純三
帯広畜産大学獣医解剖学分野:岐阜大学大学院連合獣医学研究科
-
北村 延夫
帯広畜産大学獣医解剖学分野:岐阜大学大学院連合獣医学研究科
-
松崎 重範
Genetics Hokkaido
-
北村 延夫
帯広畜産大学
-
山田 純三
帯広畜産大学畜産学部・獣医学科・基礎獣医学講座
-
佐々木 基樹
岐阜大学大学院連合獣医学研究科:帯広畜産大学獣医学科基礎獣医学講座
-
佐々木 基樹
The United Graduate School Of Veterinary Sciences Gifu University
-
佐々木 基樹
帯広畜産大学基礎獣医学研究部門解剖学研究室
-
BALTAZAR Emmanuel
帯広畜産大学家畜解剖学教室
-
COTTRELL David
エジンバラ大学獣医学部
-
BOLORON Hazel
ミンダナオ中央大学
-
佐々木 基樹
帯広畜産大学畜産学部・獣医学科・基礎獣医学講座
-
佐々木 基樹
帯広畜産大学
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