アジアゾウの寛骨臼における大腿骨頭靭帯(解剖学)
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概要
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アジアゾウ(Elephas maximus)の大腿骨頭靭帯を肉眼解剖学的および組織学的に検討した。膠原線維が厚い大腿骨頭靭帯を形成していた。靭帯は寛骨臼窩に長さ約60mm,幅20mm,厚さ10-15mmの範囲で密着していた。靭帯の近位端は寛骨臼窩の深い溝に埋まり,月状面の辺縁が靭帯の起始部を囲んでいた。靭帯は背外側に位置する寛骨臼の中央から起始し,寛骨臼の内面を腹内側方向に走行,寛骨臼切痕を経て大腿骨頭に達していた。これらの所見から,厚い靭帯とその広い付着面が,ヒトで見られるのと同様に,大腿骨の内転を制限する機構として働いているという機能的モデルを提唱することができた。一方で,ヒトと異なり,大腿骨の伸展と屈曲には直接の機能的関連がないことが示唆された。
- 日本野生動物医学会の論文
著者
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佐々木 基樹
帯広畜産大学獣医学科基礎獣医学講座
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遠藤 秀紀
国立科学博物館動物研究部
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遠藤 秀紀
京都大学霊長類研究所
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佐々木 基樹
東京大学総合研究博物館
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本道 栄一
山口大学農学部獣医学科家畜解剖学教室
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小宮 輝之
上野動物園
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佐々木 基樹
帯広畜産大学獣医解剖学分野:岐阜大学大学院連合獣医学研究科
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佐々木 基樹
岐阜大学大学院連合獣医学研究科:帯広畜産大学獣医学科基礎獣医学講座
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小宮 輝之
東京都恩賜上野動物園
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成島 悦雄
東京都恩賜上野動物園
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Sasaki M
Obihiro Univ. Agriculture And Veterinary Medicine Obihiro Jpn
-
佐々木 基樹
帯広畜産大学基礎獣医学研究部門解剖学研究室
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遠藤 秀紀
国立科学博物館動物研究部:(現)京都大学霊長類研究所
-
小宮 輝之
多摩動物公園
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KOMIYA Teruyuki
Ueno Zoological Gardens
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遠藤 秀紀
The University Museum The University Of Tokyo
-
Sasaki M
Laboratory Of Veterinary Anatomy Department Of Basic Veterinary Medicine Obihiro University Of Agric
-
佐々木 基樹
帯広畜産大学
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