ウマの腸粘膜における内分泌細胞の電顕的研究

概要

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3例のウマを用い,腸管7部位の粘膜に存在する内分泌細胞を電顕的に観察し,次の成績をえた。1.ウマの腸管粘膜にはEC,L,MおよびD細胞の4種の内分泌細胞が識別された。2.多形性で,電子密度の高い分泌顆粒をもつEC細胞が全腸管に存在していた。これら細胞は腸腺細胞間に散在性にみられるほか,腸絨毛上皮細胞の間,十二指腸腺細胞間にも認められた。いわゆる開放型を示すEC細胞が十二指腸で観察された。3.L細胞は400〜550nmの大きな,円い,高電子密度の分泌顆粒をもっていた。この種の細胞は小腸では,空・回腸,とりわけ回腸に多数存在し,大腸では大結腸に多く,ついで盲腸と直腸にやや多く存在し,小結腸には存在していなかった。4.M細胞は250〜350nmの中等大の,高電子密度,円形顆粒を保有することで特徴づけられ,小腸,とりわけ十二指腸に多数存在していた。また大腸では直腸にまれに認められた。5.ウマの膵島のD細胞がもつ分泌顆粒と同じ形態の顆粒を保有する腸のD細胞が十二指腸と空腸にまれに存在していた。6.電顕用GRIMELIUS法で,EC細胞とL細胞の分泌顆粒が銀好性を示し,M細胞とD細胞の分泌顆粒は銀好性を示さなかった。
帯広畜産大学の論文
1978-10-31