家鶏における移殖生殖腺の変異に関する研究 : II 精巣の移植実験
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概要
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1. 自家精巣移植では,いずれの部位でも活着し,かつ精細管と生殖細胞が発達して正常とほとんど大差なく間質の増生は認められない。片側去勢<両側去勢2. 他家精巣移植では,活着と発達は両側去勢において最良で,次いで片側去勢>無去勢の順である。日齢的には高いものが良好のようであるが,大差はない。しかし活着しない例もあつた。活着•発達したものでも,他家移植の例では,精細管の萎縮,生殖細胞の破壊等がみられ,かついずれも間質の著しい増殖がみられた。3. 部位的には,肝,筋,脾のように血管がよく発達している部位が,皮下等よりも発達することを認めた。4. 移植卵巣にみられるリンパ様細胞の出現は,この場合には認められない。5. 移植卵巣は早急に多種多様の組織像を呈するが,精巣を移植した場合には著しい組織像の変異はなく,主として間質の増生が認められるにすぎない。このことは卵巣よりも,精巣の発生学的な分化程度が進んでいるためかと考えられる。
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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