ウズラ幽門領域における内分泌細胞の個体発生について

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孵卵8日目から孵化後3週齢までのニホンウズラ(Coturnix coturnix japonica)の幽門領域における内分泌細胞の個体発生を光学および電子顕微鏡的に観察し,次のごとき所見を得た。1)孵卵11日目から12日目にかけて,浅く発達し始めた幽門腺の辺縁に沿ってAB弱陽性の外分泌顆粒を認めた。孵卵14日目から,幽門腺は分岐管状腺構造を示し始め,上層の外分泌細胞層と下層の内分泌細胞層とが不明瞭ながら分かれる傾向が認められた。2)光顕的に,孵卵13日目で初めて,GRIMELIUS弱陽性細胞とDAVENPORT弱陽性細胞とを上皮中に観察した。鉛ヘマトキシリン陽性細胞は,孵卵15日目で初めて認められた。3)銀親和性細胞や腸クロム親和性細胞はいずれの時期においても観察できなかった。4)微細構造的に,特異的な形態を示す顆粒細胞を孵卵11日目に観察したが,この細胞とほぼ同形態の顆粒をもつ細胞を,孵卵13日目では粘膜固有層中で,孵卵16日自では上皮中で開放型細胞としてそれぞれ認めた。5)孵卵12日目に,未発達な顆粒細胞を上皮中に観察した。それらのなかには短い微絨毛をそなえた開放型の細胞もあった。6)Ω型の顆粒放出像を孵卵14日目に観察した。7)粘膜固有層中に1例だけ内分泌細胞と考えられる細胞を認めたが,神経要素との密接な関係は観察できなかった。8)光顕的には孵化後1週齢で,電顕的には艀化日で,成体で観察される内分泌細胞とほぼ同様の頻度や分布状態あるいは形態を示していた。
帯広畜産大学の論文
1978-10-31

ウズラ幽門領域における内分泌細胞の個体発生について

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