ニワトリのファブリシウス嚢の重量および組織学的生後変化
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概要
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白色レグホーン雄ニワトリ,138羽を用いファブリシウス嚢(BF)の重量および組織学的生後変化を艀化日から27週齢まで経時的に観察し,次の成績を得た。1.BFの重量は孵化日で約0.04gで,以後漸次重くなり,最高重量に達するのは10〜11週齢ごろで,その重さは約4gであった。以後しだいに軽くなり,27週齢では全例0.3g以下であった。2.BFをその組織像より6型に分けた。それぞれの型の最も特徴的な所見は次のごとくである。I型:濾胞皮質の形成が不完全で髄質の全周におよばないもの。II型:皮質の形成は完了し,濾胞は発達するが基底膜の波状化はないもの。III型:濾胞は発達し,さらに大型となり,基底膜の波状化があるもの。IV型:上皮下結合組織の増生が全域的に認められるもの。V型:上皮下結合組織の増生がさらに進み,ヒダのゆ合があり,濾胞には小型化,嚢胞化,退行性変化が認められるもの。VI型:濾胞は嚢胞化,退行性変化を示すもののみで,BFは線維化の状態を示すもの。3.上記6型のBFの各週齢群における分布状態と重量変化より,I型およびII型は発育前期の像であり,III型は発育中期および後期の像である。IV型は退縮前期,V型は退縮中期,VI型は退縮後期の像であると言えよう。4.BFの濾胞消失は主に胞濾の退行性変化によるものと考えられた。5.BFはヒダのゆ合,濾胞の消失,線維化を経て最終的には脂肪組織となり消失するものと考えた。
- 帯広畜産大学の論文
- 1973-07-20
著者
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