ウズラ(Coturnix coturnix japonica)におけるリンパ器官および生殖腺の重量変化について
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概要
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著者らはウズラ(Corturnix coturnix japonica)を393羽用い,そのリンパ器官および生殖腺の重量変化を孵化日から30週齢まで観察し,次の所見を得た。ファブリシウス嚢(以下BF)は孵化日に♂で2.7±0,6mg,♀で2.3±0.8mgであり,最高重量は♂で7週齢87.9±15.2mg,♀で6週齢に90.0±28.Omgであった。この最高重量到達時期はニワトリのそれと比較すると,GLICK(1956)の♂白色レグホンにおける報告を除き,これまでのどの報告よりも早期であった。その後BFは加齢とともに重さを減じ,30週齢には♂で17.1±4.Omg,♀で8.0±4.Omgを示した。脾臓は孵化日に♂で1.3±0.6mg,♀で0.7±0.3mgであり,最高重量は♂で7週齢に46.7±16.Omg,♀で7週齢に80.6±32.4mgであった。脾臓は最高重量到達後,若干重さを減じるが10週齢から30週齢まではほぼ一定の値を持続した。♀の脾臓は♂のそれより一般に重かった。胸腺は孵化日に♂で4.0±0.9mg,♀で4.0±1.5mg,♀で4週齢に198.1±6.87mgであった。胸腺はその後,若干の変動を示しつつも加齢とともにその重さを減じた。生殖腺は両性において4週齢までは非常に小さく,かつ軽いままであるが,その後9週齢にかけて急激に重さを増し,成熟値と思われる値に達し,以後ほぼ一定の値を持続した。各週齢群での各種臓器間の相互関係は2および3週齢群において高い相関を示したが,他の週齢群では一般に高い相関は示さなかった。このウズラの成績とWOLFEら(1962)の♂のニワトリにおける成績とをそれぞれの各種臓器の最高重量の体重%で比較してみると,ウズラのBF,脾臓,胸腺はそれぞれニワトリの約1/4,1/5,3/5を示したが,精巣は約4,7倍もニワトリのそれよりも大であった。ウズラとニワトリとは同じ"目"に属していながら上記のような種差が存在することが明らかになった。
- 帯広畜産大学の論文
- 1971-09-16
著者
-
山下 忠幸
帯広畜産大学獣医学科
-
山田 純三
帯広畜産大学家畜解剖学教室
-
山田 純三
帯広畜産大学獣医解剖学分野:岐阜大学大学院連合獣医学研究科
-
岩佐 憲二
酪農学園大学獣医学部獣医解剖学教室
-
三須 幹男
帯広畜産大学家畜解剖学教室
-
田中 宏
旭川医科大学実験動物施設
-
田中 宏
帯広畜産大学家畜解剖学教室
-
岩佐 憲二
帯広畜産大学家畜解剖学教室
-
三須 幹男
帯広畜産大学
-
山下 忠幸
帯広畜産大学家畜解剖学教室
-
山下 忠幸
帯広畜産大学
-
岩佐 憲二
Rakuno Gakuen Univ. Hokkaido Jpn
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