マウス副腎におけるガンマアミノ酪酸(GABA)免疫活性とアセチルコリンエステラーゼ活性の共存についての免疫組織化学的および組織化学的研究
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概要
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マウス副腎におけるガンマアミノ酪酸(GABA)免疫活性とアセチルコリンエステラーゼ活性の共存について組織化学的ならびに免疫組織化学的に調べた.弱いGABA免疫活性が髄質内のノルアドレナリン蛍光を示す髄質細胞の集団に認められた.このことはノルアドレナリン細胞が刺激に応じて,GABAとノルアドレナリンの両方を放出する事を示唆している.またGABA免疫陽性の神経線維はアドレナリン細胞や少数の神経細胞に多く接着していたが,ノルアドレナリン細胞ではその集団の周囲に少数コンタクトしていたにすぎなかった.アセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性は少数の神経細胞では強く,ノルアドレナリン蛍光を示す髄質細胞の集団では弱く認められた.またAChE活性は多数の神経線維にも観察され,これらの線維はノルアドレナリン細胞よりもアドレナリン細胞により密に接着していた.さらに同一切片でGABA抗体とAChEによる二重染色を行なったところ,GABA免疫活性とAChE活性が多くの神経線維で共存していた.これらの結果から,副腎髄質内の神経線維ではGABAとアセチルコリンが共存しており,これらの物質が髄質細胞の分泌に効果を与えるものと思われる.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1999-06-25
著者
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