ニホンウズラ(Coturnix coturnix japonica)の血液細胞の微細構造について : II.好塩基球について
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概要
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ニホンウズラ(Coturnix coturnix japonica)の未梢血から得た好塩基球の微細構造を電子顕微鏡的に観察した。細胞のほぼ中心部分が切られていると思われる17個の細胞について詳細に検討し,次の所見を得た。1)好塩基球は類円形の単核細胞として認められ,その大きさは平均4.4×5.8μで,穎粒球の中で最小であった。2)核は扁在性で,他の顆粒球より一般に明調で,その大きさは平均3.0×3.8μであった。3)特殊顆粒はその大多数が類円形で,単位膜につつまれていた。これらの顆粒をそれらの大きさ,電子密度および内部構造により下記のような8型に分類した。I型(平均308×412mμ)は多形で,均質,高電子密度の顆粒,II型(平均366×413mμ)は均質あるいは非常に微細な顆粒状,高あるいは中等度の電子密度で,限界膜と内部物質との間に明かるい間隙を有する顆粒,III型(平均514×603mμ)は均質でなく,直径約200〜300Aの高電子密度の微細顆粒が集合した顆粒,IV型(平均542×665mμ)は大きさ約200〜300Aの高電子密度の紐状構造物が網状に配列した顆粒,V型(平均489×638mμ)は中等度電子密度の直径約50〜100Aの微細顆粒が種々な程度に集合した顆粒,VI型(平均552×709mμ)は空胞状に拡張し,内部に中等量から極少量まで種々な程度に集合した微細顆粒状物質を有する顆粒,VII型(平均779×1002mμ)は空胞状で,内部に微細線維状物質を種々の程度に有する顆粒,VIII型は直径約100mμの非常に小型で,電子密度が高い顆粒であった。4)これら8型の顆粒の出現頻度はIII型,VI型が高く,II型が最も低く,他の型は約半数の細胞に認められた。5)顆粒崩壊および顆粒放出と思われる像も観察された。著者らが行なったこの分類はまだ不完全であり,これら8型の顆粒の形態的差は含有されている化学物質の差によるものか,機能相によるものか,または固定などによる人工産物であるのか,さらに検討しなければならない。
- 帯広畜産大学の論文
- 1973-07-20
著者
-
山下 忠幸
帯広畜産大学獣医学科
-
山田 純三
帯広畜産大学家畜解剖学教室
-
山田 純三
帯広畜産大学獣医解剖学分野:岐阜大学大学院連合獣医学研究科
-
三須 幹男
帯広畜産大学家畜解剖学教室
-
三須 幹男
帯広畜産大学
-
山下 忠幸
帯広畜産大学家畜解剖学教室
-
山下 忠幸
帯広畜産大学
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