マルチレート複素RLS法の追従性と浮動小数点誤差の解析
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概要
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本論文では解析信号に対するマルチレート複素RLS(MC-RLS)法について定量的検討を行う.複数正弦波をARモデルから推定する従来の適応フィルタでは,ラティスフィルタ構成やこう配法が用いられてきた.これは主にトランスバーサル構成での最小2乗法と比べたときの演算量の少なさと低係数感度が理由と考えられる.一方,正弦周波数が時変性をもつとき,最小2乗法においてはモデルの時変性を仮定としてアルゴリズム中に導入しやすいという利点が存在する.しかしこれまで,トランスバーサル構成で用いられる最小2乗法の追従性と量子化雑音の改善については,あまり議論されてこなかった.そこでここでは,良好な追従性,量子化誤差の軽減そして演算量の効率化を図ることのできるRLS法(トランスバーサル構成)について述べる.はじめに,間引いた解析信号に基づくARモデルを導入し,MC-RLS法を示す.次にMC-RLS法の過剰平均2乗誤差を用いて,解析信号変換と間引きが追従性にほとんど影響を与えないことを示す.更に,浮動小数点誤差と演算量についても解析を行い,従来のRLS法よりも小さな浮動小数点誤差と演算量をもつことを示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-10-25
著者
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