日中機械翻訳における係り受け構造の可保留曖昧関係について
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概要
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非同族言語間の機械翻訳では,原言語の係り受け構造の曖昧性をあらかじめ解消しなければならないとされている.日本語と中国語は非同族の言語であり,文全体の構造は異なるが,文のある部分ではその語順が同じである.この部分に対して,日本語の係り受け構造の曖昧性を残したまま翻訳しても中国語においても日本語の意味を復元されると考えられる.そして,あらかじめ与える訳文関数を用いてこの部分の翻訳を行うことができる.本論文では,上記のことに着目して日中機械翻訳における可保留曖昧関係(RSA)を提案する.可保留曖昧関係は原言語の係り受け構造の曖昧性を解消しなくてもその訳文を生成できる曖昧関係である.具体例として,並例助詞「と」と連体助詞「の」と名詞からなる名詞句および用言連体形からなる文の係り受け構造の可保留曖昧性について検討し,翻訳手法を提案する.技術論文2919文から上記可保留曖昧関係パターンをもつ806文を抽出し,翻訳実験を行った結果,正解率は97.7%であった.これにより,本論文で提案した手法の有効性を確認することができた.
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1993-08-15
著者
-
栃内 香次
北海道大学大学院工学研究科電子情報工学専攻
-
宮永 喜一
北海道大学工学部
-
任 福継
広島市立大学情報科学部
-
范 莉馨
大連理工大学計算機学部
-
范 莉馨
北海道大学工学部
-
任 福継
CSK技術開発本部MT開発部
-
宮永 喜一
北海道大学
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