家族モデルを用いた文の分解に基づく日中機械翻訳システム

概要

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日本語文によく現れる文型,"けっして…ない", "まるで…ようだ"などを中国では"慣用句型"と呼び,本論文では"常用文型"という語句を用いる.中国人は日本語を勉強する際,常用文型を非常に重視している.特に日本語文を翻訳する際,常用文型に対しては,その部分の詳しい文法分析を行わず直接中国語訳文を得るという方法を用いている.そして,このようにして得られた中国語訳文は,常用文型に対応して選択された補助語によりアスペクトとモタリティも満足させる.本論文ではこの方法に基づいて,文の分解による家族モデルを提案し,このモデルを用いる日中機械翻訳実験システムを述べる.家族モデルは父親モジュール,太郎モジュール,次郎モジュール,花子モジュールからなる.父親モジュールは翻訳全体の制御,とくに入力文を基本文と常用文型に分解する.太郎モジュールは,基本文の解析を行い,目的言語文法に従って語順の調整を行う.次郎モジュールは,常用文型の処理を行う.花子モジュールは補助語を推定する.最後に,父親モジュールによってすべての情報を総合して訳文を整理する.4つのモジュールが独立的に構築され,翻訳システムの改良などが容易に実現される.また,太郎,次郎,花子モジュールは相互間に情報交換がないので,並列処理ができる.実験により,本論文で提案した日中機械翻訳手法の有効性が確かめられた.
社団法人情報処理学会の論文
1991-10-15

家族モデルを用いた文の分解に基づく日中機械翻訳システム

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