桁落ちを追跡する浮動小数点演算

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計算機の処理速度の発展により、大型計算機やスーパーコンピュータを使った数値計算が盛んに行われている。しかし、浮動小数点演算には、丸め、情報落ち、桁落ちなどの誤差を含み、従って、数値計算の解析結果にも誤差を含むことになる。場合によっては、演算を繰り返すうちに誤差が蓄積し、実際とは全く違った結果が出ていることもあり、利用者はそれを知らずに使っている可能性もある。本研究は、誤差の混入を追跡するアルゴリズムを導き、計算結果に対し、どれだけ信用できる結果であるかを示し、更に、正確な計算結果を得られるようなシステムを構築することを目的としている。計算結果の精度を上げるためには、倍精度や四倍精度など仮数部の大きい変数を使ったり、数式処理ソフトを使うことが考えている。しかし、数式処理では表現できない問題もあり、プログラムによる方法では、どれくらいの精度で計算すれば良いかはわからず、一般的には倍精度までしかサポートしていない。そこで今回は、浮動小数点演算をソフト的にンミュレートし、桁落ちを考慮した場合について計算結果の有効桁数と実際の精度について考察し、桁落ちをもとに、浮動小数点の仮数部を増やすことによって正確な計算結果が得られることを示す。
社団法人情報処理学会の論文
1991-02-25

桁落ちを追跡する浮動小数点演算

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